【ブラック企業体験談】大手警備会社での理不尽な残業や休日出勤、労働監督へ相談後退職へ

※このブログでは実際にブラック企業で働いた人の経験談やブラック企業を辞めた経緯をネットで募集し、一般の方に書いて頂きました。

実際にブラック企業で働いていた方のリアルな体験談ですので、今も「ブラック企業を辞めたい!」「早く転職したい!」と思ってる人のヒントや手助けになればと思います。管理人

30代後半 男性

目次

業界大手の警備会社へ就職

社会人として初めての就職で警備会社に勤務することになりました。警備業界では日本でもトップ10に入るくらいの大手であり、安定した企業に間違いないということで就職を決めました。

会社から内定をもらい事前説明会にも出席して業務の内容および就業時間・勤務地などについて話を聞きました。大手の企業といっても本社などではなく地方支店での業務となり、勤務時間はあくまで労働基準法にしたがった時間であること。さらに、勤務地も自分の出身県内であり当面は移動などはないと言われ安定した仕事ができると感じていました。

ただし、警備会社であり勤務時間は2交代制であって事案が発生した場合などは対応のために残業もあるとのこと。

もちろん、自分としても「担当者が説明するだけの仕事ではなく時間も業務内容も変化するもの」と思って業務に臨む覚悟でした。保安業務ですから、事案に対応するためには昼夜を問わないこともあるということは周囲からも聞いていたのです。

最初は百貨店の保安警備業務

実際に仕事が始まると警備業の中の1号(施設警備)を担当し、まず1年目は大手百貨店の保安に当たりました。夜の勤務がほとんどで、24時間勤務地にいたあとは翌日と翌々日は休日になるというシフトです。

就業して研修を行ってから実際の勤務が始まります。当初は会社の説明どおり施設での警備に従事し、夜間の施設内の点検を行って、昼間の勤務のときには事案対応などもありました。

大手百貨店なので、食料品売り場から服飾品売り場まで多くの店がテナントに入っており、その中で万引きなどが発生します。万引きを現認した際は警察に連絡したり普段から目を光らせて、より被害を減らすための対策をとるなどして施設に貢献しました。

この仕事はやりがいを感じていたので続けようと頑張っていましたが、3か月ほどした頃から職場の対応が変化していきました。まず一緒に勤務している同僚(皆50代くらいの非正規雇用での警備員)が私のシフトを変更させ、あまり業務を担当させなくなったのです。

 

突然の勤務地変更と休日勤務

すると、支社の担当がやってきて「この職場はこういうシフトだから次の現場へ行きなさい」と勤務地を変更させられました。百貨店での施設警備は完全に終わりではなく、夜間従事しながら「休日に当たる昼間」に遠方の勤務地で別の警備業務が開始したのです。担当は2号警備といい、交通誘導をしたり、その現場がないと昼間は営業に行くことになりました。

最初の数か月は我慢して昼間も働いていましたが、労働時間を計算してみると、事実上の時間外労働が月70時間ほどにのぼっていたのです。もちろん、担当者と話はしましたが、「昼間の仕事はあなたの任意でしていることで、営業や他現場の実務経験を増やすためにやっている」と言われました。

仕事であればスキルアップのために時間を割くことは当然ですが、完全な時間外労働をして残業代はなし。給与ははっきり言って大手企業とはいえない金額です。

それでも、経験は積みたいと思って我慢して3年ほど続けたのですが、そのうち体がおかしくなり通常の夜間の勤務もつらくなってきました。私は担当と何度も話して施設の方に回してもらうよう言いましたが、周囲がシフトを変更するなど対策をして勤務地や業務内容を変えていったのです。

労働基準監督署へ相談に

労働基準監督署に相談に行ったところ、「すでに3年間そういった状態で働いているということは労働契約自体には合意しているとみなされる」と言われました。ただし、「任意で時間外労働70時間を超すなどということはありえないので即刻断るべき」とも言われました。

断ればシフトを減らされて別の業務を担当させられることはわかっていたので、その旨を監督署の相談員にも話したところ、「指導はするが辞めるかどうかは自分次第です」との回答でした。そして、労基署からの電話連絡が会社に入ったものの、それ以降も待遇は変化しない状態だったので、私は退職することになりました。

 

退職を決意

退職の際に会社とモメたり喧嘩したりはありませんが、はっきりと自分の意思を伝えて退職すると言いました。普通であれば辞める方が捨て台詞を吐きたいものですが、どういうわけか会社の方から文句を言われたのには呆れました。

結果、大手企業でありながらこの支店の収支は常に赤字で、都市部の支店に合併されると噂されていました。辞めると言っている非正規の警備員からも話を聞きましたが、若い人が入ると年配者が自分の仕事をとられると危惧して常にシフトを減らすそうです。

そもそも、シフトを減らして「労働契約書に記載されていた業務内容そのものが無くなる」ということ自体おかしいことでした。仕事に変化はつきものですし、転勤や業務内容の変化もあるでしょう。

ただし、正規の労働者であれば辞令があって当然です。今ではおかしいと気づきますが、若く何も知らない立場だった自分には、それが自然だと思ってしまったのです。

ブラック企業の典型として

  • 「時間外労働がやたら多い」
  • 「勤務地の変化が著しい」
  • 「業務内容が月単位で変わる」
  • 「それはすべて労働者の任意でやっているとまとめる」

の4点です。

昨今、ブラック企業や長時間の残業で過労死するなどの問題が取りざたされていますが、自分に問題が発生してからでは遅いと感じます。一時的な心身の異常は、時間の経過で治ることもあります。しかし、会社はその状態を「いつものこと」「普段できてるのだから当たり前にもっとできるだろう」と判断します。

やはり、会社のために体を動かすことも大事ですが、自分の意思をもって自分のために「口を動かす」ことがもっと大事だと感じました。
自分の労働状況を改善できるのは、自分しかいないからです。

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